
「BBCのフェイクニュースで育児政策が混乱」の記事でお伝えしたケースもそうですが、最近、フィンランドの子育て支援策が世界中いろいろなところでプッシュされています。
ただ、事実に反した「ゴリ押し」的なところが多々あるので気を付けましょう。
以下は日本の例です。
一部のメディアが「ネウボラ」というフィンランドの育児政策を熱心に紹介しています。何が素晴らしいのか、いまいちわかりにくいコンセプトではありますが、例のベビーボックスなんかも含まれるようですね、たぶん。
これを大プッシュしているメディアのひとつがハフィントンポストです。その記事によると、ネウボラは「出生率を伸ばした」ということなのですが、
【北欧の育児】出生率を伸ばし、児童虐待死を激減させた「ネウボラ」とは つながる育児支援に日本も注目 https://t.co/VKkUhI5jgb pic.twitter.com/DP2mC7UIUB
— ハフポスト日本版 (@HuffPostJapan) 2015年12月5日
これには致命的な間違いがあります。
というのも、フィンランドの出生率は歴史的低水準になっているからです。
フィンランド:2015年の出生数は55,472で前年より1,760人減少した。大飢饉の発生で出生数が一時的に減った1868年以来の歴史的低水準。特に地方での出生率の低下が顕著。記事では要因に触れていないが、経済低迷はその一つだろう。https://t.co/EjnPZzY9YE
— スウェーデン政治経済情報 (@sweden_social) 2016年4月14日
したがって、「フィンランドの出生率が劇下がり、原因はネウボラか?」という報道ならまだしも、「出生率を伸ばした」というのは事実に反しています。
というか単なるウソです。
BBCのフェイク記事もグラフとかでていて「サイエンス仕立て」にしていましたが、本当に怪しいですね。
とくに少子化に悩む日本にとって、「出生率を伸ばした」というフレーズは実に魅力的ですから、テキはこういう弱いところを突いてきます。
気を付けましょう。
1 thought on “フィンランドの出生率が歴史的低水準、原因は「ネウボラ」?”