移民頼みの選挙運動 in スウェーデン


9月9日にスウェーデンで国政選挙が行われました。
結果は、中道左派の与党側が中道右派の野党連合にわずか1議席差で勝つとういう接戦。しかも、その1議席さえ、集計し直すたびに政党間を行ったり来たりするデッドヒートでした。

 

 

 

選挙前の大注目は、もちろん反移民のスウェーデン民主党。最終的に、期待(懸念)されたほど伸びませんでしたが、日本でも「極右政党」が躍進などと報道されていましたね。

 

今年のスウェーデンの選挙は、この「極右政党の台頭」ばかりが注目されていましたが、このブログでは他の既存政党の戦い方を紹介したいと思います。
というのも、国内の反移民気運にも関わらず、他の政党は “移民頼み” の選挙運動をしていて、なかなか興味深かったからです。
(ちなみに、ここで言う”移民”とは、基本的に移民的背景をもったスウェーデン国民という意味です。一応、移民は国政の有権者ではないので)

 

まず最大与党の社会民主党ですが、政党の公式SNSのアラビア語ページでフェイクニュースを広めて野党を攻撃していたことが発覚し、問題になりました

 

「穏健党やスウェーデン民主党は、モスクを閉鎖しようとしてる」とか「野党が勝ったらハラールミートが禁止になる」などという虚偽を書いてイスラム系有権者の不安を煽っていたそうで、社会民主党のロベーン党首(首相-写真左)は謝罪しました。書いたのは社会民主党のイスラム系地方議員だったことが判っています。

 

また、社会民主党と連立政権を組んでいる緑の党からは、Leila (Layla?) Ali Elmi という強力なソマリア系女性が立候補していました。以下は、彼女の選挙演説の模様なのですが、

 

演説中スウェーデン語を一切話さなかったと驚かれています。
この人の名前で検索するといくつか動画が出てきますが、探し方が悪いためかスウェーデン語を話している姿は拝見できませんでした。まさか、スウェーデン語話せないなんてことないよね?
結局、この候補は当選した模様。自国民をガン無視で国会議員になれちゃうって、すごいですね。

 

野党の中央党も熱心に移民にアピールしていました。以下のように、アラビア語、ソマリア語、ペルシャ語などでパンフレットを作製し、

 

「トゥギャザーしようぜ」みたいなスローガンを広めていたそうです。中央党は野党の中でも一番移民に傾斜してますが、それを隠す気はないようですね。

 

最大野党の穏健党は、移民にアピールするような活動はしていないようでしたが、「新しいモスクの建築許可と引き換えに3,000票を約束する」との取り引きがあった、というスクープが投票日数日前にスッパ抜かれていました。

 

 

取り引きを持ち掛けたのは、緑の党のイスラム系党員で、「モスクで説教すればみんな言うこと聞くから集票できる」という旨のことを言っていたようです。
穏健党はこの話を断りました。しかし、こういう報道があると、他に表沙汰にならない話もあるんだろうなぁ、と邪推してしまいますね。

ところで、この話を持ち掛けた男は、この後、緑の党を除名されているのですが、なんでライバル政党に話を持って行ったのか不明ですね。引っかけだったんじゃないのかな・・・

 

スウェーデンの選挙なんだから選挙運動はスウェーデン国内でやるものだと思いきや、どっこい国外でもやってるんですね。
以下のトルコ国営放送のニュース番組は、トルコの Kulu という町に開設されたスウェーデンの在外投票所を取材し、トルコとスウェーデンの二つの国籍を持った有権者が投票する様子を伝えています。

 

スウェーデンのトルコ系国会議員もこの町に駆け付けて選挙運動をしていたようで、番組内でインタビューされていますね。
まぁ、放っておいても、ここの人たちが反移民政党に入れることはないと思いますが、働き掛ければ投票率はアップすることでしょう。

トルコ紙によると、トルコにはこのような二重国籍の有権者が2万人もいるとのこと。1議席を争うような接戦をしているところに2万票は大きい。こういうの、トルコ以外にもあるんでしょうか?

ところで、このニュースはトルコでは結構報道されているのですが、スウェーデンで報道された形跡があまりないんですよね。もしかして、スウェーデン人は知らないんじゃ・・・
自分の国の政治が在外の二重国籍者の投票で左右されてるなんて知ったら、普通は怒りますよね。

しかし、これだけやっても反移民政党が議席を伸ばしたのだから、やはり反移民気運は強いと言えるのかもしれません。

以上

 

 

 

 

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